英語の壁を乗り越えた──ペットTech起業家が“英語で愛を伝える”まで

英語の壁を乗り越えた──ペットTech起業家が“英語で愛を伝える”まで

英語プレゼンを断った苦い思い出


トロントのFinTechカンファレンスVIPラウンジ。

グリーンラベルのスーツをまとい、表彰された高橋ユウマ(28)は、祝福の握手を受けながら、ふと2週間前の自分を思い出していた。

あの日──

「英語プレゼン、お願いできませんか?」

社員からの何気ない一言に、彼はとっさに目をそらした。

「いや…まだちょっと自信がなくて」

それが、本当は悔しかった。

500語の単語暗記リストを前にして、30語で心が折れた日。

留学経験もない。英語は“避けてきた壁”だった。

でも、起業家として、獣医や外資パートナーとの商談、ユーザー調査など、英語を避けられない場面が増えてきた。

そんなとき、社内Slackに貼られたリンクが目に入る。

──10分で惹きつける英語を磨く「恋愛英会話ゲーム」?
その名は「MOTERU」

英語で“愛”が語れるのか。
最初はそう思った。でも、どこかで確信していた。

10分で、“伝わる”ってこういうことかも


画面に現れたのは、ショートヘアに赤ニットの服を着た女性キャスト。
まっすぐな眼差しと落ち着いた声色が、画面越しなのに妙に距離を縮めてくる。

「Tell me about your company. But no tech stuff. Just… why it matters to you.」
(あなたの会社について教えて。でも技術の話はいらない。あなたにとってなぜ大切なのかが知りたい)

ユウマは少し戸惑いながらも、口を開いた。

「When I was a kid, I lost my dog… and I didn’t know what she felt in the end.」
(子どもの頃、飼っていた犬を亡くしました。最期に何を思っていたのか、分からなかったんです)

「So now, I want to build a world where pets can ‘talk’ through data.」
(だから今、ペットが“話せる”世界を、データでつくりたいんです)

彼女はしばらく何も言わなかった。
ただ、そっと目を細めて言った。

「My cat… she looked at me like that, too.」
(私の猫も…そんな目で私を見てた)

少し沈黙が流れ、彼女が微笑んでこう言った。

「You really love. Not just pets. But… people too, right?」
(あなたって、本当に“愛してる”のね。ペットだけじゃなく──人のことも)

どこか恋の始まりみたいな、甘くて少し切ない空気が流れた。

自分の正直な気持ちを話し、共感してもらえる。
誰かの心を動かすって、きっとこういうことなんだ。

プレゼンじゃない、「共感の輪」をつくる力


トロントで開催されたFinTechカンファレンス最終日。

外資系役員や投資家たちが集うVIPラウンジで、ユウマはスーツの襟元を整えていた。
グリーンのラベルは、注目スタートアップの証だ。

数時間前、英語でのピッチ審査があった。
そこで彼はこう切り出した。

「We don’t just collect data from pets. We listen to them.」
(私たちは、ペットのデータを“集める”だけじゃない。“耳を傾けて”いるんです)

続けてこう言った。

「Because every bark, every blink… is trying to say something.」
(だって、すべての鳴き声も、まばたきも、きっと何かを伝えたがってるから)

会場にいた審査員の女性が、ふっと笑ったのを彼は見逃さなかった。
その瞬間──
「伝わった」
そう思えたのは、初めてだった。

昔は、「Pet Tech」というだけで機能説明に終始していた。
でも今は違う。

大切なのは、
“何ができるか”ではなく、“なぜそれが必要なのか”を、誰かの物語として語れるかだった。

プレゼンが終わったあと、ラウンジで審査員のひとりが声をかけてきた。

「Loved your pitch. You made me feel something I forgot.」
(あなたのピッチ、感動したわ。私、忘れてた感情を思い出した)

それは、500語の単語帳でも、オンライン英会話の講義でも届かなかった場所だった。

英語力じゃない。
“自分の想いを、どう相手に届けるか”──それがユウマの武器になった。

MOTERUは、そんな「惹きつける力」を育てる場所だった。

10分で磨くのは、文法じゃない。
相手の心に届く「たった一言」。

人を動かす言葉は、すべての境界を越えていく。

『MOTERU』
https://moteru-ai.com/

【MOTERU公式LINE】
https://line.me/R/ti/p/@899buhya#~

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